財務省が為替介入で買った米ドル資産を圧縮?

財務省は4月から、国際機関の分担金や拠出金や防衛装備品の購入などの外貨での支払いに外国為替資金特別会計を充てることを開始した(産経新聞)。
記事では、年間8億円の両替コスト削減という目的しか書かれていないが、これは政府の保有する米ドル債売却という、ものすごく大きなニュースではないのだろうか?

外国為替資金特別会計では、1年未満の短期国債を発行して国内で資金調達した円資金をもとに主に米ドルを購入している。最近では2003年から2004年にかけて莫大な為替介入(ドル買い)が行われ、89兆円に積み上がっている。保有通貨の通貨の内訳は公表されていないが、ほとんどが米ドル、しかも米国債で運用されていると言われている。

この米ドル資金を国際機関の分担金や拠出金や防衛装備品の購入などの外貨での支払いに充てるということは、実質的には為替介入で購入した米ドル債売却である。新規の為替介入は行われる見込みはないからだ。なぜ今になってこのような試みを始めたのだろうか?財務省が莫大な為替介入を行った2003年から2004年はゼロ金利が継続されており国内で短期国債を発行してもほとんど金利を払う必要がなかった。

しかし、現在では0.5%程度に上昇しており、短期金利の負担が増してきたからではないだろうか?かといってドル売り円買いの為替介入を行えば、「財務省が米ドル債売却」と宣伝されてしまうのでマーケットへの影響が大きいし、米国政府のプレッシャーがかかる。苦肉の策として考えられたのが、両替コスト削減という名目での外国為替資金特別会計の圧縮なのではないだろうか?年間6000億円程度と保有額に比べれば小さいものの、米ドル資産圧縮はかなり大きなニュースだ。

関連記事:
・外貨準備圧縮の新手法〜国際協力銀行との為替取引

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