セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド詳細決定

セゾン投信が販売予定のファンド・オブ・ファンズ「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」が3月15日に設定されることになった。気になる組入れファンドは、

以下の通り。

・バンガード・ジャパン・ストック・インデックス・ファンド:約6%
・バンガード・US500ストック・インデックス・ファンド:約24%
・バンガード・ヨーロピアン・ストック・インデックス・ファンド:約16%
・バンガード・エマージング・マーケット・ストック・インデックス・ファンド:約4%
・バンガード・ジャパン・ガバメントボンド・インデックス・ファンド:約9%
・バンガード・USガバメントボンド・インデックス・ファンド:約20%
・バンガード・ユーロ・ガバメントボンド・インデックス・ファンド:約21%

株式が50%、債券50%ということで、割とリスクを低くした設定だ。逆に円建て資産は15%、外貨建てが85%ということで、為替リスクはかなり高くなっている。株式・債券の比率と、円貨・外貨の比率がミスマッチな気がする。これだけ為替でアグレッシブなのに国内株式よりも国内債券の方が割合が高いというのも不思議だ。

気になる手数料も以下の通り、発表された。

信託期間:無期限
手数料:なし(ノーロード)
信託報酬:純資産総額に対し年率0.4935%(税込み)
(残高に応じ、委託0.2709-0.2772%、
販売0.1806-0.1848%、
受託0.042-0.0315%)
*投資先ファンドの運営管理費等を含めた受益者が負担する実質的な信託報酬率は純資産総額に対し年率0.78%程度(税込み)
信託財産留保額:0.1%
受託銀行:日興シティ信託銀行
販売会社:セゾン投信(直販)
概略:年1回決算

85%外貨建て運用で0.78%という信託報酬設定は、国内投信の中でも最も安いクラスに入るだろう。ただ欲を言えば、ファンド・オブ・ファンズではなく、ぜひ、個別のファンドを直接購入できる形にしてもらいたい。

関連記事:
・セゾン投信は期待できるか?


コメント
チョット意外な感じですね?ノーロードかつ信託報酬0.78%は評価しますが、外国資産85%は偏り過ぎで、シャレじゃないけどバランス(を欠く)ファンドかな?でも、物は考えようで、先日、発売されたマネックス・資産設計ファンドの外国アセットの比率が物足りないと言っている方も多いから、マネックス:セゾン(ヴァンガード)=9:1とかで買えば、外国アセット比率が増えて良いかも。
発表前は、さわかみファンドも組み入れたバランスファンドになるのかと期待しましたが、考えてみれば、澤上社長はパッシブ運用が好きじゃないんだから妥当ですね。
恐らく、セゾン投信2本目のファンドは、今売っている、さわかみファンドをそのまま売るだけでしょうか?チョット、テンション下がりました。
  • Werder Bremen
  • 2007/02/17 12:41 PM
複数のバランス型を買うくらいなら(つまり自分のベスト配分を理解している人であれば)個別のインデックスファンドを買うでしょう。株式50%、債券50%で、85%以上外貨というのは、どういうリスク許容度の人を対称にしているのか分かりませんね。
  • ゆうき
  • 2007/02/17 12:49 PM
目論見書を見たわけではないのでハッキリは分かりませんが、日本株・日本債券に対しての投資信託も国内で運用しているとは思えません。既に海外で運用している投資信託の使いまわしでしょうから 100% 外貨建ての FoF かと。

とすれば、外貨建ての日本債券の投資信託って一体何の価値があるのか疑問ですし、9%という中途半端さはグロソブを彷彿とさせます。同じ為替リスクなら外貨MMFを選びます。

為替リスクの宝石箱のようなバランス型投資信託だな、というのが第一印象。退職金の活用先としてはリスクが高く、リターンを求めるには債券への比率が高いですね。
  • Mc.N
  • 2007/02/17 3:21 PM
活用法としては、日本株ETF・インデックスFとの組み合わせでしょうか?外貨投資をはじめから念頭においているのなら、妥当な選択ではないかと思うのですが。

外国債券株式のインデックスと比べた場合、どうなんでしょ?
  • 高知
  • 2007/02/17 5:09 PM
RUIさんの期待リターンと標準偏差を自由に計算できるエクセルのシートを使わせて頂いてこの配分を入力すると、期待リターン 5.3%  標準偏差 16.34 になりました。

このファンドをベースにして、自分の好みの商品を付け加えて、リターンとリスクを調整すれば良いのでしょうか。

セゾンカウンターに行って、セゾン投信のこと聞いてみたのですが、まだほとんど情報がないようでした。取り扱うそれぞれの商品のマニュアルがパソコンですぐ見られるようになっているそうですが、きわめて簡単な説明しかないとのこと。セゾンカードとどういう間柄になるかもわからないし、投信について説明する資格のあるスタッフもほとんどいないので、投信会社に直接聞いて頂くことになるかと思いますとのことでした。でも、とても感じよく、頭の回転良く、いろいろ情報を探してみて下さいました。こんなスタッフがいるのなら、西武意外に復活するかも。

  • あづさ
  • 2007/02/17 6:50 PM
 うーん、確かに微妙ではありますが、個人的には予想していたよりも
良い商品が出てきたと思います。

 セゾン投信を設立したセゾングループの基本方針は『セゾンカードを
利用している多くのお客様に対するサービスの一環として、簡単な長期
資産設計の手段を提供する』という事だそうです(完全な初心者の割合
が多い)

 その点で観ると、個別ファンドをいくつも提供してお客様で組み合わ
せてくれというやり方よりもFOFの形を取るのは理解できます。

 むしろ、FOFでこれほど信託報酬を押さえた事は投信業界全体として
中々の進歩になるのではないでしょうか?
 ※他の投信もこれに影響されてくれると良いのですが

 米国/欧州/日本/エマージングの割合は、(日本在住という観点を
置いて)世界規模で見ればこの程度の割合が適切だと思いますし、株式
と債券が半々というのも、初心者から見て安心できる構成ではないでし
ょうか。日本在住している限りはこれに加えてTOPIX連動ETF位は必要か
もしれませんが、何も考えずに余剰資金で積み立てるのであればこれだ
けでも充分といえる配分+信託報酬だと思います。

 澤上氏は『ファンドオブファンズは、優良なファンドを組み込んで、
手数料を安く設定すれば非常に良い方式だ。今あるFOFがボッタクリな
だけ』と著書やセミナーでいつも主張していますが、その主張が正しい
か試されるファンドでもありそうですね。
(セゾンセミナーでは『ここがちゃんと長期投資向けのFOF作るなら、
 世界のファンドマネージャーをオレが口説いちゃる』的な事お話され
 てたしなぁ)

 ともあれ、お薦めできないというようなファンドではないと思いますよ。
半端なバランスファンドよりずっと安心できて、良心的だと思います。
  • ハイマージェ
  • 2007/02/17 9:53 PM
>ファンド・オブ・ファンズではなく、ぜひ、個別のファンドを直接購入できる形にしてもらいたい。
バンガードは徹底した低コストの代償として基本的に米国内での販売が前提で、国外にそのままの形で販売するとおそらく取り次いだ販売会社のコストをペイできません。
そのためマネックスのように別途口座管理を取るかFoFの形でないとたぶん無理だと思われます。

参考:ファンドの海さん「バンガードが運用する投資信託の手数料はなぜ安いか」
http://www.fund-no-umi.com/blog/2005/06/post_d016.html
ファンド保有者が会社の保有者となるというのはコスト削減の仕組みとしては有効ですが、国外進出のようなコストが比較的大きく回収に時間のかかる自力での業務拡大には消極的になってしまうというジレンマがありますね。

Mc.Nさん
外貨建ての日本株・日本債券投資というのは、ファンドそのものの通貨は外貨でも投資対象となるのは円建て資産なので
円→ドル→円
となって為替コスト等はかかりますが為替リスクについてはほぼ相殺されます。
バンガードほど低コストなファンドは日本にほとんどないことを考えると、私は「全部バンガードにするために日本資産も外貨建て」にすることがそれほど非合理だとは思いません。

あづささん
>西武意外に復活するかも。
セゾングループは何十年も前から「西武鉄道」とは資本関係をもっていませんし、今はグループ名からも「西武」を外していてほとんど無関係になっていますよ。
  • アルビレオ
  • 2007/02/17 9:59 PM
>アルビレオさん
今一つ、相殺される理屈が分かりません。

私は「野村通貨選択型日経225投信」をイメージしました。例えば、外貨建て日経225投信で購入時が1ドル=100円で売却時が1ドル=120円の場合と、円建て日経225投信とでは運用差があるのではないかと思うのですが如何でしょうか。
  • Mc.N
  • 2007/02/18 12:05 AM
私は、随分考えたファンドを出してきたなという印象です。

まず、彼らは、合計の信託報酬を0.75〜0.8%を目標とすると言ってきました。
その上でこのファンドを注目していた人を私なりに想像すると
・今までインデックスファンドを継続購入
・信託報酬に対して十分な認識がある
といったところ、
実際、インデックス派のブログでは随分騒がれている状況ですから、結構、的をえていると思います。

日本株:外国株:外国債券を1:1:1の比率でポートフォリオを構成するなら日本で購入できる信託報酬がもっとも安いファンドで実現しようとすると信託報酬0.71%で、
できるわけですから彼らの目標とする信託報酬ではどう考えても勝ち目はありません。
しかし、彼らの提案しているポートフォリオを日本で購入できる信託報酬が
安いインデックスファンドで実現しようとすると少なく見積もっても信託報酬0.78%程度となり、このファンドの信託報酬とほぼ同じになるので、十分メリットが出てきます。

次に日本のアセットクラスの割合が低いという点ですが、日本株のインデクッス系ファンドは、ETFも整備されているわけですから、少なくとも現時点では彼らの考える信託報酬では魅力的な商品は作成できないのであえて組み込まず、他のファンドで運用するほうが投資家側にメリットがある
というメッセージがあるのではないかと私は感じました。

実際に月々3万円を運用にあてている人なら、日本株:外国株:外国債券:日本債券をほぼ、
11:9:8:2で面白いポートフォリオになります。
(日本株インデックス1万、セゾンのファンドを2万の場合)

そのようにこのファンドをみてみると、日本の投信市場のスキマをついた良いファンドと思います。
  • もいち
  • 2007/02/18 12:22 AM
もいちさん

私は外貨建て資産の多いことそのものを批判しているわけではありません。むしろ、そのことは歓迎です。

私が問題にしているのは、株式:債券が5:5というかなり守備的なアロケーションなのに、為替リスクが多いということで、対象とするリスク許容度がぼやけていないか?ということです。

むしろ、この外貨建ての割合ならば、株式:債券は7:3くらいでも良いのではないかと思います。そして、このリスク許容度でいくなら、現段階で国内債券に投資する必要などないと思います。
  • ゆうき
  • 2007/02/18 12:32 AM
Mc.Nさん
ファンドが保有している資産が円建てなので、ファンド自体の通貨が何であるかはあまり意味を持ちません。
たとえば1ドル=120円、日経1万8000円のときにドル建ての日経連動ファンドを買うとします。(為替手数料や端数による誤差は無視)
簡単にするためにファンドの基準価額は日経225の数字と同額とすると、18,000÷120=$150.00
これを1口買うには150.00×120=18000円となります。
日経225は変化せず1ドル=100円まで円高になると、基準価額は18000÷100=$180と上昇しますが、これを円に換算すると180×100=18000円と変化していません。円安になる場合も同様。

このように保有資産が円であれば、ファンドの通貨が何であっても円に換算すれば売り買いのときだけに限らず保有期間中の評価額でも相殺されています。
厳密にはファンド資産のすべてが投資されるわけではなく、若干の流動性資金(外貨)をプールしているのでその部分は為替リスクを受けることになりますが、インデックスファンドはアクティブファンドよりも売買回転率が低いこともあって流動性資金の比率は低いはずです。
あとは株式からの配当や債券のクーポンをファンドが受け取るタイミングと分配金が支払われるタイミングの差による変動リスクというのはありますね。
インデックスの銘柄入れ替えについてはわざわざドルに変えずに円で売却→円で購入とすると思うので為替リスクは無関係。

>外貨建て日経225投信で(略)円建て日経225投信とでは運用差があるのではないか

どちらも保有資産が円建てであることに変わりはありません。為替手数料相当分以上の差が出る要因はほぼないと思うのですが。
あるとすれば投信を買うために円→ドルに換金するときと投信を購入するときのタイムラグによるものぐらいでは?

それに外国株ファンドであれば円建てであっても為替変動の影響を受けますよね?
つまり為替リスクを考えるとき肝心なのは保有資産の通貨が何かということであって、ファンド自体の通貨というのはあまり意味を持たないんですよ。
  • アルビレオ
  • 2007/02/18 1:38 AM
外国株式&債券に偏ってますが、これにTOPIX型ETFと個人向け国債を買えばポートフォリオが出来ると思いますがいかがなものでしょうか?
ファンドの為替リスクについては、誤解されているかたも散見されますが、アルビレオさんのご意見が正しいと思います。

インデックス投資家さんの中には、米国証券口座で運用されているかたもたくさんいらっしゃいますが(僕は国内証券会社派ですが)、彼らは米国証券口座内ではすべて米ドル建てですが、米国・欧州・エマージングと国際分散投資を実践できていると思います。

為替リスクの観点から、米国資産は米ドル建て米国口座、欧州資産はユーロ建て欧州口座、日本資産は円建て日本口座、エマージング資産はどこそこ口座(笑)…と分ける必要はないですよね。
アルビレオさん

ご指摘ありがとうございます。西武鉄道グループとセゾングループがまず別々のもので、セゾングループだった会社は今やそれぞれいろんな企業の傘下にあるのですね。

西武百貨店のなかで働いていても、クレディセゾンの社員さんだったり、ロフトの社員さんだったり、西武百貨店の社員さんだったりするのかな。西武デパートがずいぶん元気になってきているのかなと思ったのですが、そんなに単純な構図ではないのですね。
またいろいろ教えて下さい。
  • あづさ
  • 2007/02/18 1:57 PM
>株式:債券が5:5というかなり守備的なアロケーションなのに、為替リスクが多いということで、
>対象とするリスク許容度がぼやけていないか?ということです
ちょっと話がかみ合っていないようです。
良いか悪いかを別にしてバンガードはドルコスト運用を提案しています。
また、バランスよく資産を分散することを提案しています。

そこでもう一度、このファンドを見てみるとと明らかに、バランスが取れていません。
しかし、このファンド+他のファンドでの運用を考えて見ましょう。
先ほどの例では日本株インデックスを例に出しましたが、
外国株式インデックスファンドでも面白い組み合わせはあります。

私には
ETFがある。もしくはETFが整備されつつあるアセットクラスに関しては、
個別で購入することを強制するように感じるのです。
つまり
少ない金額でドルコストで運用しようとするなら、このファンドをコアファンドで
自分の考えるリスク許容でインデックスファンドをサブで選択し、
資金額がある程度たまったらETFへスイッチをする。
という使用方法を提案しているように感じるという意味で随分考えたファンドと
おもっています。

>このリスク許容度でいくなら、現段階で国内債券に投資する必要などないと思います。
気持ちはわかります。その評価も十分にわかります。
ただ、このファンドは資産配分は固定です。
それを念頭に考えると国内債券の資産配分は十分許容できる範囲の設定だと私は考えます。
  • もいち
  • 2007/02/18 2:04 PM
大変失礼致しました。訂正です。

>期待リターン 5.3%  標準偏差 16.34 になりました。

期待リターン  5.2%  標準偏差 14.93 です。

RUIさん、勝手に計算シートを使わせて頂いた上に、多くの方々が見に来られるところに、間違った数字を書き込んでしまい、申し訳ございませんでした。
  • あづさ
  • 2007/02/18 2:20 PM
>アルビレオさん
説明、ありがとうございます。売買回転数の少なさ、という面で大体納得しました。「野村通貨選択型日経225投信」は全然違う商品なのかもしれませんね。

以下の page より組み込まれているファンドのおおよその状況が分かりました。
http://www.vanguardinformation.com/international/

「Japan Stock Index Fund」と比較したかったのですがどうもベンチマークが TOPIX ではなく MSCI Japan Index を用いているようで比較対象となる投資信託が見つかりません。

「Japan Government Bond Index Fund」を見ると運用実績が軒並みマイナスでした。現状、大体 0.5% 程度の運用益が出ているはずなので、このマイナス分は為替の影響によるものであろうことが想像できます。きっと円転すれば 0.5% を若干下回る運用益になるのではないかと推測します。
  • Mc.N
  • 2007/02/18 3:58 PM
個人的には為替変動リスクと信託報酬水準でちょっとどうかな?と思う商品ですが、今までの日本の投資信託商品を考えると、セゾン投信の取り組みにはかなりの評価ができると思います。
勝手な想像ですが、第2弾は国内株式を中心とした商品(さわかみファンド?)で、「国際分散投資型のバランスファンド(外貨比率が高め)」+「国内株式中心のファンド」を組み合わせて運用することを推奨するようなコンセプトかもしれませんね。
資産配分を自分で決めたいような人には使いにくい面もあるでしょうし、一方でうまく利用価値を見出せる人もいると思いますが、それよりももう少し投資に馴染みのない人をメインのターゲットに置いているのだと思います。
Mc.N
今さらですが、ウソを書いてしまったようなので訂正します。

『売買回転率は為替とは無関係です』
(日本株ファンドの)売買を回転させるということは日本株を売ってまた日本株を買うということなので、わざわざ外貨に変える必要はありません。だから同じ通貨であれば、どんなに回転させても為替は影響しません。
グローバル型ファンドのように複数の通貨であればリバランスの際に多少の影響があるでしょうけど。

つまりドル建ての日本株ファンドを考えた場合、純粋に運用面でドルと円を交換することはありません。
円ドルの交換が行われるのは入出金(購入/解約)や信託報酬、監査費用などの経費を引き落とすときぐらいです。

>野村通貨選択型日経225投信
こいつはですね、(為替リスクは発生しない)日経225の株式を保有して、さらに同額の円のショートポジションを持っているんです。
それによって金利差分のスワップポイントが入ってくる「日経225+FX」といった形態に近い商品です。保有している株をFXの保証金代わりに差し入れていると考えてください。
だから「フルヘッジします」と言いながら実態はわざわざ為替リスクを取りにいっている、「どこがヘッジやねん」と言いたくなる愉快な商品ですね。
  • アルビレオ
  • 2007/03/12 5:07 AM
こんばんわ。FFです。
このファンドについて疑問があります。長文ですいません。ゆうき様、そのほかのブロガーさま、教えていただけると幸いです。

長文ですので、Q5とQ6を先に見てもらった方が興味がわくかもしれません。


Q1. このファンドの株式地域別割合は、各地域の株式市場の時価総額比率になっているようですが、みなさんはこの割合をどう思われますか?

ファンド設計者は、効率的市場仮説支持の立場をとり、ポートフォリオ理論に従い、時価総額比率自体をインデックスとしているということだと思います。
もし、宇宙人がいて地球という惑星の株式市場に投資するなら、このように投資するのかもしれません。


Q2. このファンドの債券地域別割合は、各地域の債券市場の時価総額比率になっているのでしょうか? ご存知の方、御教えください。また、みなさんはこの割合をどう思われますか?


Q3. 全地域比率株式と全地域比率債券の割合が半々になっています。この2つの過去の相関関数をご存知の方がいましたら、御教えください。また、2つの相関関数が0のときは、半々にするとボラティリティが最小になるのでしょうか?


Q4. 結果的に、日本15%、海外85%になっています。みなさんはこの割合をどう思われますか?
ここでもファンド設計者は、為替市場の効率的市場仮説支持の立場をとり、為替の歪みは直ぐに修正、適正化されるので、考慮する必要はないと言っているようにも思えます。


Q5. 新生銀行さん公開の過去37年間分の分散投資シュミレーションにかけてみました。
http://www.shinseibank.com/unyo_info/tool/allocation/index.html
このファンドは、時価総額を勘案して適宜見直しが実施されるようですが、シュミレータが対応していないので、現在のポートフォリオを過去37年間使用したことにしました。また、エマージングの項目がないので、下記のように補正しました。
国内株式6%、外国株式42%、国内債券9%、外国債券43%です。
平均リターン3.9%、ボラティリティ10.4%となりました。
RUIさんのシートとは、計算期間異なるのでかなりズレがあるようです。
みなさんの御自身のアセットアロケーションと比較して、このリターン値とボラティリティ値どのように評価されますか?


Q6. さらにドルコスト平均法で、分散投資シュミレーションにかけてみました。
http://www.shinseibank.com/unyo_info/tool/allocation/index.html
条件は上と同じです。それに加えて、初期投資0万円、積立投資60万円/年としました。
グラフを見ると、かなり安定しているように見えます。
みなさんの御自身のアセットアロケーションと比較して、グラフの推移をどのように評価されますか?


Q7. 上記のグラフ推移は、為替の歪みが効率的市場仮説支持で無効化したというよりは、ドルコスト平均法で平準化したように見えますが、どうでしょうか?


質問は以上です。長文で申し訳ありませんでした。ゆうき様、そのほかのブロガーさま、回答していただけると嬉しいです。
なお、為替リスクを0にはできないと思うので、実際には、北村慶さんの著書にある「100マイナス自分の年齢」をこのファンドに投資するなどの個人個人の工夫がいるとは思います。

よろしくお願いします。
  • FF
  • 2007/12/18 10:49 PM
FFさん

詳細なご質問ありがとうございます。以下、質問への私の考えです。

A1:時価総額に準ずるのは、各地域のポートフォリオがパッシブ運用である以上、インデックスファンドとしては妥当だと思います。

A2:確かにどこにも書いてはいないのですが、数値から判断して、シティ国債インデックスに準じていると思われます。どこかに記載されているのをご存知の方がいたらぜひ教えてください。

A3:相関関係はどの期間のデータを採用するかによって異なりますが、内藤忍の資産設計塾で使われているデータは、以下の記事を参照ください。

http://fund.jugem.jp/?eid=23

A4:本ブログ管理人の意見は上の記事の通りです。読者の方で、コメントがあればぜひお願いします。

A5:リターン・リスクのバランスは妥当だと思います。どのリスクを許容するかは各自のリスク許容度によって異なりますし、そもそもリターン・リスクは金融理論上の計算結果でしかありませんので、単純に比較することに意味はないと思います。

A6:質問の意味が分かりませんでした。リターン・リスクのバランスについては上記の通りです。ドルコスト平均法は確率的に有利でも不利でもないので、ドルコスト平均法することによって一概に有利であるとはいえません。

A7:こちらも質問の意味が分かりませんでした。そもそも効率的市場仮説とはパッシブ運用の有利性を裏付けている理論ですが、効率的市場仮説が成立しているのであればバブルは発生しませんので、理論そのものが現実から乖離していると考えざる得ません。

なお、最後に「100マイナス自分の年齢」と書いていますが、このコンセプトは初心者に伝えるための分かりやすい指標として説得力はありますが、資産運用についてある程度理解している段階では、もう少し厳密にリスク許容度という概念を考えたほうが良いと思います。
  • ゆうき
  • 2007/12/19 12:01 AM
FFさん

○配分方法について
ポートフォリオ理論の「市場」とは市場全体を指すものであって、インデックスは理論を現実の運用に置き換えるための代用品にすぎません。
理論上の「市場を代表する数字」は架空のもので、時価総額による比例配分はそれに近いものだろうと期待されている代表的なものです。
現実にはそれぞれ個別の制約(外国人の保有が禁止あるいは制限されていたり、市場により規模や流動性などが大きく違っていたり)があったりしますが、それらをいちいち考慮しだすと主観的判断も入りやすくなります。
だから客観的かつ統一的な基準として時価総額を基準に配分を決めてるわけで、「もっとも広く認められ、使われている」とはいえてもこれが正解なのかどうかは誰にもわかりません。

○相関とリスクの関係
まず、「相関関数」ではなく「相関係数」です。関数というのは一般的にひとつの数字で表せるものではありません。
意味はだいぶ違うのでご注意を。
数学の話になりますが、相関係数が0で標準偏差(乱数のばらつき具合、ファイナンス理論で言うボラティリティ)が同じ2つの乱数があるとき、その合計値はルート2分の1(約0.7倍)の標準偏差を持ちます。
合計する比率を変えた場合は、半々のときが最も小さな標準偏差(上記の約0.7倍という数字)になります。
現実には株式と債券の相関がゼロではないことはFFさんも承知の上で書かれていると思いますが、もう一つ重要なのは株と債券ではボラティリティが大きく違うことです。
債券が株と同等のボラティリティを持つということは常識的にはありえないといってよく、50:50という配分はリスクを最小にする意図を持っているとは考えられません。最小ではなく軽減する程度です。
リスクを最小にするには債券を株の数倍程度持つ必要があり、その結果期待リターンは減少します。
このあたりは多少リスクを取って期待リターンを向上させることと、商品をわかりやすいものにするためと考えていでしょう。

○なぜ為替?
>為替の歪みは直ぐに修正、適正化されるので
ここが一番ひっかかったのですが、世界中に投資する以上は為替の影響は避けられません。
もともとインデックス運用は「将来の予測なんてできっこない」という前提の上で行われるものです。
各資産の配分にしてもそれぞれの市場動向や為替の影響で刻々と変動するので厳密に比例配分することは不可能で、せいぜい一定期間ごとに調整するくらいが関の山です。
そんな中でわざわざ為替の影響を他と分けて考えるのはどうも不自然に思うのですが。

○あと、余計なおせっかい
しょせん「正解に近づくことはできるかもしれないが、何が正解かは誰にもわからない」世界なので、あまり厳密に正解を追いかけても労力に見合った成果が得られるとは限りません。だから「これぐらいならまあいいだろう」という妥協も必要。
「何ヶ月も熟慮を重ねたおかげで、千円余分に儲かった」じゃ割に合いませんからね。
  • アルビレオ
  • 2007/12/19 3:02 AM
ゆうきさん、アルビレオさん、回答、どうもありがとうございます。

A2:シティグループ世界債券インデックスの構成比率は、
http://etffan.blog120.fc2.com/blog-category-10.html
にありました。
もし上記のページが正しいなら、ズレてます。もう少し調査してみます。

A6:ドルコスト平均法の理解がありませんでした。解説ありがとうございます。
A7:なるほど。どの程度効率的であるか、が重要そうです。
「100マイナス自分の年齢」については余分だったと反省しております。

○相関とリスクの関係
なるほど。解説ありがとうございます。

○なぜ為替?
「わざわざ為替の影響を他と分けて考えるのはどうも不自然」というのが素人の私にとって逆に新鮮でした。御記述ありがとうございます。

○あと、余計なおせっかい
確かに労力対効果がありませんね。ただ最近は、バランス型ファンド設計者の意図に興味があります。SBI資産設計オープンや、マネックス資産設計ファンドと比較して、配分がかなり異なるので、興味が湧き質問させてもらいました。

お二人様の迅速な回答、ありがとうございました。
  • FF
  • 2007/12/19 6:50 PM
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噂のセゾン投信の第一弾ファンドの詳細が見えてきた。 詳しくは↓↓↓ セゾン投信、
  • もーまがBlog
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ここ2日ほど飲み歩いていたせいで、このHOTなネタのことを書くのが遅れてしまいました。相互リンク先含めてかなり沢山のエントリが公開されていますね。 ●セゾン投信でました-セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド by じゅん@さん セゾン投信からバ
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設立が発表されて以来、かなり話題になっているセゾン投信。うちのブログへのアクセスもマネックス資産設計ファンドと並んでかなり多かったのですが、ついにどんなファンドが販売されるか明らかになりました。さわかみ投信とバンガードと提携していたので、発売されるバ
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  • 楽天証券で保有していた投資信託4本をすべてSBI証券へ移管した
    akisan (02/19)
  • 確定拠出年金(iDeCo含む)の商品数(35本)上限は撤廃すべき
    ハイマージェ (11/01)
  • 2024年の新NISAを前にメインカードを三井住友プラチナプリファードに変更
    ゆうき (10/13)
  • 2024年の新NISAを前にメインカードを三井住友プラチナプリファードに変更
    ハイマージェ (10/13)
  • 2024年の新NISAを前にメインカードを三井住友プラチナプリファードに変更
    ゆうき (09/20)
  • 2024年の新NISAを前にメインカードを三井住友プラチナプリファードに変更
    ハイマージェ (09/20)
  • 空き家増加の背景にある過剰な新築住宅〜過剰な住宅ローン減税拡大政策
    田口宗勝 (09/15)