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2020年度のプライマリーバランス黒字化達成は困難だが先送りも困難な理由

5月12日、第5回経済財政諮問会議が開催され、財政健全化計画の策定に向けた論点整理が行われた。
麻生財務大臣からは、経済再生ケースによる7兆円の収支改善と過去3年間の実績を踏まえて歳出の伸びを抑えることによる9.4兆円の歳出抑制により、2020年度にプライマリーバランスの赤字は解消可能という試算が示された。

民間議員4名からは、今後5年の計画期間、「経済・財政一体改革」に取り組むことで、経済成長・税収増により3.4%改善するだけでなく、消費税率引上げ、歳出改革、歳入改革によって2.3%改善することを目指すという提案がなされた。

この経済再生ケースは、経済成長率が実質2%以上、名目3%以上、消費者物価上昇率(消費税増税の影響を除く)が2%近傍で安定的に推移という前提なので、もともと無理な想定がされている。加えて、大幅な歳出抑制を前提にしているが具体策は見えない。さらに歳出削減をしても、民間需要が代替しない限り経済成長にマイナスに働くだけだ。

今後の注目点は「2020年度のプライマリーバランス黒字化」をどのタイミングで先送り発表するかだ。ただ、2020年度以降も歳出の自然増は続くし、生産年齢人口の減少も続くだろうから、目標年を先延ばししたからといって達成が容易になるわけではないところが悩ましいところだろう。

関連記事:
・なぜ8年後(2023年度)までの財政試算が「中長期」の試算としてまかり通るのか?

コメント
ゆうきさん

こんにちは!いつも興味深くブログを拝見しております!

こちらの記事の「経済成長率が実質2%以上、名目3%以上、消費者物価上昇率(消費税増税の影響を除く)が2%近傍で安定的に推移という前提」は無理な目標でしょうか?消費増税前は、この数字の近くで安定的に推移していたかと?

また、2020年以降も上記経済状況でしたら歳出の自然増も
充分賄えるのではないかと思います。
如何でしょうか?
  • ぷにこ!
  • 2015/05/13 12:13 PM
内閣府・IMF・OECD・各シンクタンクが出している日本の潜在成長率は1%前後です。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/0214/shiryou_02.pdf
  • ゆうき
  • 2015/05/13 10:19 PM
ゆうきさん

おはようございます。

こちらのコメントにご回答頂きまして有難うございます。
ご回答頂いた潜在成長率は、実質のGDPを試算している
ように見受けられます。
こちらの実質GDPに物価変動も加味した名目GDPでは、
3%以上の成長は可能ではないでしょうか?
財政収支の議論には、こちらの指標をベースに議論する
のが合理的かと考えております。
  • ぷにこ!
  • 2015/05/14 9:25 AM
まず、内閣府は「ベースラインケース」と「経済再生ケース」の2つのシナリオを用意していて、「ベースライン」ケースは潜在成長率を元に算出、経済再生ケースは経済成長が高めに推移したケースを算出しています。内閣府自身が「ベースライン」と言っているし、私も議論のベースは「ベースライン」シナリオが妥当と思っています。
  • ゆうき
  • 2015/05/14 9:40 AM
プライマリーバランスにこだわることなく、インフレ率に合わせた財政政策をすることが肝要かと。すなわち、インフレを抑制したい時には歳出削減や増税が適切であり、インフレ率を上げたい時には減税や歳出拡大が必要です。2020年の経済状況を正確に予想できるのは神だけである以上、今から2020年の財政政策を決めてしまうこと自体がそもそも誤りではないでしょうか。
  • dell
  • 2015/05/14 9:35 PM
すでに債務残高が巨額すぎるため、インフレを高めて名目成長率を上げても、税収増以上に利払費が上がることが予想されています。なので、コントロール不能に陥る前に、PB黒字化が第1歩として必要です。
http://www.mof.go.jp/budget/topics/outlook/sy2702a.htm
  • ゆうき
  • 2015/05/14 9:57 PM
財政赤字をなぜコントロールすべきかといえば、それは過度のインフレを抑制するためです。逆に言うと、過度のインフレが懸念されない状況で財政赤字を抑制すべき理由はありません。
この点を理解しないから、デフレと財政赤字のジレンマなどという本来ありえないことを「問題」にしてしまうのです。あるいは増税の手段が消費税だなどというバカな話になるのです。これは、はっきり言えば財務省の悪質な情報誘導に責任があるわけですが、騙されないことが肝要かと。
  • dell
  • 2015/05/14 10:22 PM
足元だけを見て「インフレ懸念がない」と考えているようですが、今後、貯蓄率が低下していけば、インフレ懸念は急浮上します。そうなってからでは遅いので、中長期的な財政運営が必要なのです。
  • ゆうき
  • 2015/05/14 10:36 PM
今後貯蓄率が低下する理由はなんでしょうか?もし少子高齢化のような構造要因を想定しているなら、インフレ懸念は急ではなく徐々に浮上してくるものと思われます。また、仮になんらかの理由でインフレ懸念が急浮上したとして、そうなってからでは遅いと言える合理的理由はなんでしょうか?たしかに、財務省が大好きな消費税増税は逆にインフレ率を上げてしまうため使えませんが、歳出削減や規制緩和、消費税以外の増税、あるいはある程度のインフレ容認も含めて、その時の状況に応じた最善の選択肢の組み合わせをすればなんら問題ないのではないでしょうか?逆に、将来の経済状況もわからないのに将来の財政収支を決めることは、無責任ではないでしょうか?
  • dell
  • 2015/05/14 11:35 PM
ご質問の回答については、以下を参照ください。
http://genuinvest.net/?eid=2065
http://genuinvest.net/?eid=2322
http://genuinvest.net/?eid=2094
  • ゆうき
  • 2015/05/14 11:44 PM
91年度から12年度までの実質成長率の平均が0.9%(http://www.brave-con.co.jp/blog/wp-content/uploads/2013/08/GDP.gif)。日銀試算によると我が国の経済の実力である潜在成長率が0%近傍(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KH09C20150108)。

政府目標の「実質2%以上、名目3%以上」が今後長期的に実現可能でサスティナブルなものではないは言わずもがなでしょう。講学上は成長率が金利を下回るリスクが存在する以上財政が破綻する可能性はあるのです(ドーマー条件)。

政府が志向するのは増税なき飽くなき経済成長依存の財政再建。どうやら経済財政諮問会議の民間議員も懐柔された模様。やる気なし・・・。

国家全体がギャンブル依存症。どいつもこいつも目先のカンフル注射(経済政策)にしか興味がないようですね。
  • キセン
  • 2015/05/15 5:30 AM
リンクの内容のみ読みましたが、リンク1は日銀の買いオペを無視している時点でナンセンスです。リンク2は、「破綻」の定義が不明ですが、日本のように自国通貨建ての国債で通貨がどこの通貨にもリンクしていない場合、自ら望まない限り「デフォルト」できません。なぜなら、日銀がいくらでも国債を買えるからです。従って、特定の年次での「破綻」を不可避としている時点でその論考は信用できないと言えます。リンク3は、かなり適当な仮定に基づくいい加減なシュミレーションと思われますが(正確なシュミレーションはそもそも原理的に不可能)、実質3%成長のシナリオが一番現実に近いと考えられます。なぜなら、実質3%成長でも近年の日本はインフレ加速していないからです。逆に、デフレ継続を前提としたゼロ成長シナリオは、日銀の政策転換がなされた今となっては、もはやナンセンスでしょう。
繰り返しますが、将来を正確に見通せない以上、事前に財政政策を縛るいかなる計画もその時点で誤りです。
  • dell
  • 2015/05/15 9:17 PM
横から申し訳ありませんが、あまりにひどいので詳しい理由は挙げず(先方も挙げてませんし、講学上の「言語」を共有していないのは明白なので)とりあえず否定だけ。

>日本のように自国通貨建ての国債で通貨がどこの通貨にもリンクしていない場合、自ら望まない限り「デフォルト」できません。

下記の通り日銀の量的緩和政策には限界があるので、宣言せずともデフォルトの可能性はあります。

>日銀がいくらでも国債を買える

無理です。限界はあります。
  • キセン
  • 2015/05/15 9:59 PM
ちょっと誤解があるようですが、日銀がいくらでも国債を買えるというのは、インフレを顧慮しなければ、という意味です。
つまり日本の場合のデフォルトは、インフレを放置したり増税や緊縮財政をしたりするよりはデフォルトしたほうが良いと日本政府自らが選択しない限り起こり得ないということです。
日本の場合、デフォルトは「起こる」ものではなく「自ら選択」するものなのです。
  • dell
  • 2015/05/15 10:36 PM
ゆうきさん

こんばんは!

コメントが複数挙がっておりましたので、
議論に参加させていただきます。

ゆうきさんの「債務残高が巨額すぎるため」は勘違いでは?

日銀による国債買い入れが総額が280兆円になりました。
こちらで得た金利は国庫に返納されております!
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150510.htm/
(上記の話をすると国際信用が落ちると煽る方がおりますが、
280兆円買い入れた現状で何か起こっておりますか?)
GDPにおける債務比率も年々減っております。
以下で参照できます!
https://onedrive.live.com/view.aspx?resid=9749676468553142!582&app=Excel&authkey=!AFZKFJthzOB_d5E
なので、名目成長率増による財政再建は可能だと考えております。

http://www.mof.go.jp/budget/topics/outlook/sy2702a.htm
また、こちらのリンクの数字は税収弾性値1.1前提ですよ。
この数字で想定しているから最近の財政試算は大幅にはずれて
いるんですよ。
高橋洋一教授は、デフレ脱却時期は税収弾性値3〜4を想定しております。
(参照:http://diamond.jp/articles/-/14432?page=5

dellさんのお考えは素晴らしいですね、私も3%成長は硬い
と思いますし、デフォルトも考えられません。
過度なインフレを気を付けていれば、金融政策でいかようにも
コントロールできますからね!

キセンさんの考えはトンデモですね。
91年度から12年度までのデフレの時期を含めた実質経済成長率
で議論するのもナンセンスですし、 消費増税後の潜在成長率で
議論しているのもナンセンスです。
消費増税して需要を低下させているんだから、成長率がさがるのは当たり前だろ!
(もうちょっと、dellさんの記述内容を理解された方がいいののでは?)

  • ぷにこ!
  • 2015/05/15 11:20 PM
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