ジム・クレイマーの株式投資大作戦〜「バイ&ホームワーク」を提唱



ジム・クレイマーの株式投資大作戦を読んだ。最初、書店でこの本を見たとき、軽いノリの表紙だったため素通りしてしまった。ところが、先日、山崎元氏のブログでこの本を高く評価している記事を読み、さっそく購入して読んでみたのだ。
本書の著書で、アメリカの株式投資番組で大人気の投資アドバイザーであるジム・クレイマーのスタンスを一言で言うと、「時間とやる気があり、ある程度のリスクを取れる人は、十分な下調べの元、トレーディング(投機)をすべし」ということになる。彼は、本書の中でこのスタンスを「バイ・アンド・ホームワーク(株を買って勉強せよ)」と呼んでいる。

私は、このブログの多くの記事で、インデックスファンドやETFへの投資を勧めているが、すべての投資家が、こうしたパッシブ運用の金融商品をタイミングも気にせずドルコスト平均法で購入すること(例:同じファンドを毎月一定額を買い付ける方法)がベストな方法だとは思わない。

ジム・クレイマーが本書の中で推奨しているように、時間とやる気があり、ある程度のリスクを取れる人は、よく分散された10銘柄程度に投資し、景気や金利、セクター循環の大きな流れを読んで投機をすることは、有効な方法だと思う。

投機について書いた本の中には、根拠のないテクニカル分析を元にしたデイトレードやスイングトレードの本が多い。そういった意味で、本書は「きちんとした根拠に基づいた投機の教科書」と言えるだろう。

関連記事:
・山崎元「新しい株式投資論〜合理的へそ曲がりのすすめ」

コメント
私のブログをお訪ねくださったようで、どうもありがとうございます。

ところで、貴ブログを拝読するのは、今回が初めてなのですが、「インデックス・ファンドやETFをドルコスト平均法で・・・ベストと思わない」との記述を見ましたが、現在、インデックス・ファンドは日経平均、TOPIX共に銘柄やウェイトの変更の際に投資家が損をする形が確立してしまいましたし、ETFは信託報酬が安いのはいいのですが、「配当取り」という新たな敵が現れて、こちらも年に何十ベイシスか投資家が損をする公算が大きくなっています。また、ドルコスト平均法には、それ自体としては、有利でも不利でもありませんが、.螢好の集中、機会収益の損、コスト高、(後の二つは一括で必要量を買う方法に較べて)といった難点があります。

素人個人が安心・気楽に投資するのは、なかなか大変だ、というのが実感で、これは、こまったことだと思っています。

それぞれに、どのようなご見解をお持ちか、まだ存じ上げないので、釈迦に説法かも知れませんが、ご参考まで。(ETFの配当取り以外に関しては拙著「お金をふやす本当の常識」(日経ビジネス人文庫)に説明がありますので、立ち読みでもされてみてください)

これを機会に、今後とも、よろしくお願いいたします。
  • 山崎元
  • 2006/08/20 10:04 PM
山崎元様

丁寧なコメントありがとうございます。実は山崎様には、下記のページで、このブログに一度コメント頂いたことがあります。

http://fund.jugem.jp/?eid=101

ETFの配当取りに関しては、今回のコメントではじめて知ったのですが、ひどいことですね(下記に詳しい解説があります)。

http://allabout.co.jp/finance/assetmanagement/closeup/CU20050831A/index2.htm
  • ゆうき
  • 2006/08/20 10:21 PM
「初めて」ではなかったのですね!
失礼いたしました。
しっかり「お気に入り」に登録しておきます。

ETFに関する記事はもう出ているのですね。
本当にヒドイ話です。
  • 山崎元
  • 2006/08/21 2:34 AM
といいつつ山崎氏は最新のプレジデント誌ではETFを推奨、なぜ?
  • 通りすがり
  • 2006/08/21 5:44 AM
>山崎 様
「配当取り」によって分配金が減ると既存ETFホルダーが損だ、という意味ですか?
>こちらも年に何十ベイシスか投資家が損をする公算が大きくなっています
とはかなり大きな損ですが、どういう計算でしょうか? 分配金が減った分が丸々損だということでしょうか?
「配当取り」によって分配金が減ること自体は、大きな損とは言えないと思います。その理由は
(1)ETFの追加設定等で受益者間の有利不利が発生しないように追加信託差損益金・解約差損益金が発生します。「配当取り」をしたからといって丸儲けできるようにはなっていません。
(2)「配当取り」によってETFの分配金が1口あたり2円減ったとしても、基準価格が2円高く保たれます。裁定屋さんは分配金がいくら減ったかに興味はないので、2円上でオシゴトするはずです。裁定屋さんはインデックスの数値そのものではなく、実質的な基準価格を参照してオシゴトしますので、「個人投資家には何の意味もない基準価格」と書いたallaboutの記事はこの点で間違っています。
(3)分配金が少なくなると源泉徴収額が少なくなるので、既存ETFホルダーは実は得している?

「配当取り」の問題は
(4)「配当取り」をすることで、個別株の実際の配当額 と 追加設定時の「未収配当金」の差額を丸儲けできる
ことだと思います。配当額確定後に調整すれば問題ないでしょうが、目論見書には調整するとは書いていません。


とプロを相手に失礼なことを書きましたが
間違い・見落とし等があれば、是非指摘していただきたく
よろしくお願いします。
便所の落書きの精さん

この比較グラフを見ると配当取りはかなり簡単にできそうです。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=1306.t&d=c&k=c3&c=998405.t&t=1y&l=off&z=l&q=l
多くの株式の権利落ちが3月なのに対してETFの分配落ちは7月なので、その間のETFの価格は他の期間よりもTOPIXを上回る形で推移しています。
ということは権利落ち前から株を保有していなくても、権利落ち後に株を市場価格で調達してETFを追加設定、そのETFを売却すれば丸儲けじゃないでしょうか。
  • アルビレオ
  • 2006/08/23 4:12 AM
>アルビレオ 様
(資金さえあれば)「配当取り」は簡単にできます。しかし、私が言いたいのは、「配当取り」をしたからといって取った分だけ丸儲けではないということなのです。その理由は既に書いたとおりですが、別の言い方をすると
権利落後の株式を使って権利落ち前のETFを追加設定する場合、ETFの「未収配当金」が大きくなっているのでそれに対応した処理をする
ということなのです。
urlの先に、「配当取り」についての議論がありますので是非ご覧ください。

一般には、個別株の配当が多くなるほど株式投資家に歓迎され、運用パフォーマンスがあがります。しかし、ETFの分配金の多少は運用パフォーマンスとは関係ありません。ETFのパフォーマンスは、株価指数と受取配当によって決まるものです。1口当たりの分配金が多かろうが少なかろうが、ETFの運用方針は何も変わりません。

本当に「配当取り」が配当を丸儲けできるオイシイ投資手法なら、7月のETF権利落ち時は、ETFの受益口数がもっと多くなってもよいはずでしょう? 株式市場には情け容赦のない資金などいくらでも入ってくるでしょうに。
便所の落書きの精さん
スレは見てたんですが、上のほうで同じような話題をやっていたことに気づいてませんでした。
なんとなくわかりました。ありがとうございます。

んで、追加設定できるETF口数は、ETFで保有済みの株式と差し入れた現物株バスケットとの単純な比で決まると思っていたのですが、(細かい条件は無視すれば)差し入れた株式総額を基準価格で割ったものになるんですね。
だったら権利落ち後の株式と権利落ちしていないETF証券の交換になるので、先に私が書いた方法では差益は取れないことになります。
考えてみれば、そうでないと何ヶ月も価格差が維持されていることが不自然ですよね。

まとめると配当金の2重取りは確かに避けられないが、
 ・追加設定が多くなるほど分配金は希薄化するため、あまり大量に追加設定すると「配当取り」の効果はどんどん小さくなる。
 ・資産そのものの値動きに比べると、配当取りで得られる金額はごく小さい
ということから、あまり積極的にこれを利用することは考えにくいということになるでしょうか。

個人的には「追加設定によって得られる利益はごく小さいとはいえ、分配金が目減りするという不利益があることには変わりない。でもallaboutの記事で提案しているような規制は裁定が十分に機能しなくなる恐れがあるので余計にまずい気がする」ってところですね。
  • アルビレオ
  • 2006/08/25 2:25 AM
>アルビレオ 様

「配当取り」によって分配金が減ったことで既存ETFホルダーにどれだけの不利益があるのかを私なりに考えてみます。
当初より分配金が減った分だけ基準価格が上がるということは、分配金を当初予定通りに配り、その一部を強制的に再投資させてETF口数を増やしてから、口数が元と同じになるように併合して基準価格を上げるという操作をしたのと理論的に同じです。ただし、「一部を再投資」する資金は非課税です。再投資の取得価格をどう評価するかがポイントになります。たとえば、分配金が元本に対して0.2%減り、基準価格のディスカウント(通常、株式分売はディスカウントして売り出しますので、それと同じ発想です)を仮に1%とすると、不利益は0.2ベーシスになります。それだけ既存ETF投資家が損し、大口投資家が得するということです。

2ちゃんねるで「配当取り」の問題が最初に話題になったのは私の知る限り昨年11月で、このときにallaboutの記事をはじめて読みました。私は「おかしい記事だ」と思ったんですけどねえ・・・。
その後、同じ話題が蒸し返されるので、その度に応じていたのですが、山崎さんのコメント
>「配当取り」という新たな敵が現れて、こちらも年に何十ベイシスか投資家が損をする公算が大きくなっています
を読んで、「どういう損があるかは知らないが、そこまで大きくないのでは?」と思って、ここに投稿しました。

ETFは決算時に分配することで配当無し指数に連動する運用をしますが、「配当取り」によって1口あたりの分配金が少なくなると、それだけ配当込み指数に近づきます。同じ運用方針なら、分配金が少ないファンドのほうが投資家にとって有利ですよね? もし仮に無分配で配当込み指数に連動するETFがあったら、分配ありで配当無し指数に連動するETFよりもおトクでしょう? 「配当取り」で分配金が希薄化するということは、分配金にかかる税金も希薄化するということです。

既存ETF個人投資家は「配当取り」をした大口投資家と比較すれば損していますが、「配当取り」が発生していなければより多くの税金を払うことになっていました。それでも「配当取り」は既存ETF個人投資家の敵なのでしょうか? 分配金が少なくなっても、少なくなった分だけ非課税で再投資しているのと同じことだと考えれば、長期投資家の望むところだと思うんですけど。
便所の落書きの精さん

追加設定による配当の二重取りが当初思っていたほど大きな損を生まないことは理解できました。
でも一番シンプルな理屈として、追加設定によって分配金を余分に受け取れる以上は、その分を誰かが負担しなければならないことには変わりありませんよね。
当然その負担は追加設定者を含めた保有者に回ってきます。

基準価格の上昇や分配金の減少による税負担の軽減は、税率が分配額や売却益の1割(将来は2割)でしかないため、多少の効果はあるにしても分配金の目減り分を埋め合わせるには小さすぎるのではないでしょうか。

税軽減効果や非課税での再投資効果と比較して、2重取りで持っていかれる金額を妥当なコストと考えるのはちょっと難しいと思います。
  • アルビレオ
  • 2006/08/25 10:42 PM
>アルビレオ 様

その一番シンプルな理屈というのが、よくわからないのですが。。。
「分配金の目減り分」というのは損失なのですか?

中途半端に分配金が減るから分かりにくいのだと思います。
極端な場合を考えてみましょうか。
「分配取り」が極端に行われれば、分配金はゼロに収束します。このようなことが毎年行われれば、配当無し指数に連動するはずだったETFは事実上配当込み指数に連動するETFとなります。

では、元々配当込み指数に連動するように設計されたETFは分配金がゼロであるから損失が発生しているということになりますか?
便所の落書きの精さん

えーと、分配金の2重取りが発生している以上、そのお金はいったいどこから沸いて出たもなのか、という話なのですが。
よく考えたら権利落ちした現物株を権利落ち前の基準価格で交換するので、分配金の分だけ取得できるETFの口数が減っているから既存ホルダーの負担にはならないと考えればいいのかな?
  • アルビレオ
  • 2006/08/26 12:52 AM
>アルビレオ 様

基準価格が適切である限りにおいて、追加設定・解約をしても既存ホルダーと大口投資家の間の損得は基本的に発生しません。
追加設定・解約の前後の1口当たり純資産額(=基準価格)は同じです。

ところで、目論見書を読みましたか?
訂正です。

「非課税で再投資したのと同じ」というのは言い過ぎかもしれません。
将来のキャピタルゲイン課税を考えた場合、現実に起こっていることは「非課税で再投資」した場合と比べると、数ベーシス程度の差がありそうです。
いずれにせよ、既存投資家が(何十ベイシスかの)損をするとまでは言えないと思います。
便所の落書きの精さん

追加設定自体は損得なしということは理解しています。
そうでなきゃ追加設定・解約が指数との連動を維持する裁定として機能しないから。
問題は追加設定は等価交換なのに配当と分配金の両方を受け取れるということは、その余分に受け取れるお金の帳尻をどこで合わせているのかわかりにくいことでして。
権利落ち前の価格は直近の配当or分配金が上乗せされているという基本的な前提でつじつまが合うことは納得できました。

長々とお付き合いいただきありがとうございます。
  • アルビレオ
  • 2006/08/27 1:05 AM
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元ファンドマネージャー、ものすごい数の転職経験の持主として、著名な山崎元さんがブログで1冊の本をご推薦になっていました。 本のタイトルは、『ジム・クレイマーの株式投資大作戦』。本屋で最初に見た時は、素通り(他のブログのRISさんも同じことを書いていた
  • 成功者への道 powered by jugem
  • 2006/08/21 9:27 PM
あつまろです。 初めて本屋でこの本を見たときの印象は 「また、ふざけた本が販売されてる」 と、いう印象でした。 その本は「ジム・クレイマーの株式投資大作戦」です。 ふざけた表紙、ふざけたタイトル、 あつまろにはそうとしか写りませんでした。 しか
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