ゼロ金利解除で生活はどう変わるか?

ゼロ金利解除で生活がどう変わるのか?というシュミレーションをワイドショーが行っている。「銀行は預金金利をもっと上げろ!」というメッセージや、「住宅ローンの利率が上がるのは不安」というメッセージが目立つ。相変わらずワイドショーの議論はレベルが低い。
金利とはお金の需要と供給のバランスによって成り立っている。お金を預けたい人が多くて、借りたい人が少なければ、預金はほとんど付かない。銀行の預金が気に入らないのなら長期的な資産運用を定期預金で行わなければ良い話。個人向け国債や投資信託など昔に比べ金融商品は多様化している。長期投資の意義がぜんぜん伝わっていない。

私からしてみれば「銀行は預金金利をもっと上げろ!」という感情的な主張は、「預金こそ資産運用の柱」という昔の幻想にしがみついているだけで、銀行の預金利率が気に入らなければ、預金で資産運用をしなければよいだけの話だ。みんなが冷静に行動すれば、理論上は預金の金利も少し上がるはずだ。

住宅ローンについては、住宅ローンの利率を考える前に、そもそも持ち家を持つということが経済的に考えれば割高である、という現実が理解されていないように思う。持ち家が得か、賃貸が得か?を参照して欲しいが、特にマンションを買う場合はなおさらだ。金利が高いなら住宅ローンを組まないで、金利が低下するまで賃貸に住めばよいと思う。

ちなみに、金利変動型の住宅ローンは、そもそも収入が金利の上下と連動するわけでもないという現実を考えれば、存在意義自体が不明な金融商品だ。低金利時代に借り換えを進ませるための「おとり商品」としか思えない。

ということで、「ゼロ金利解除で生活がどう変わるのか?」という分析の多くが、「多くの金融商品の中から選ぶ」ことや「そもそも借りない」という経済合理的な選択肢を除外して考えているので、暗いシュミレーションになる。史上最高益をあげている銀行は「悪者」にしたほうが視聴者の受けが良いからだが、結局、視聴者は重要な情報を遮断されているだけなのだ。

関連記事:
・ゼロ金利解除が先か?景気減退が先か?

コメント
はじめまして。
昨日初めてこのブログを見つけまして、集中的に読み込んで
居るところです。お勧めの本もamazonnに注文しました。
ところで、たまたま一昨日、シティバンクへ投資相談に行き、
モンターニュという通貨選択型個人年金保険を勧められました。
米ドル、豪ドル、円貨が選択でき、基本的には債券運用なのだと
理解しました。予定利率が現在は4.85%(米ドルの場合)中途解約
の場合はその時点での利率によって払戻金が決まるようです。
投資での狙いたい利率を年10%と考えており、中核をモンターニュにして残りはハイリスク型のファンドなどで補え、とのことでした。如何思われますでしょうか?団塊世代なので長くても10年程度を考えて居ます。
  • はいぱー
  • 2006/07/15 9:37 AM
はいぱーさん

以下の問題点があると思います。

1.保険商品は一般的に手数料(付加保険料)が割高。したがって運用商品としては向いていない。
http://fund.jugem.jp/?eid=42
2.米ドル建てで4.85%という利回りは米国債の利回りとほとんど変わらない。運用としては米国債を買うのと変わらない。
3.中核をモンターニュにするとあるが、一般的に60歳前後で、米ドル建て資産を資産運用のメインにするのはリスクが高い(はいぱーさんのこれはリスク許容度によります)。
4.一般的に60歳前後で、平均リターンを10%にする運用は、リスクが高すぎます(はいぱーさんのこれはリスク許容度によります)。
5.個人年金保険は相続税控除があるので、よほどの資産家であれば有効な場合はあります。
  • ゆうき
  • 2006/07/15 10:24 PM
ゆうき様 初めまして〜TB有難うございます。

色々勉強になります。特に「コンセプト」を読ませて頂くと、僕も某保険会社でコンサルタントをしてたのですが、会社や業界の姿勢や実情に疑問を持って退職した身ですから、すご〜く実感を持って共感できます。(丁度、ハイパーさんが、比較検討してただろうと思われる商品もバンバン売ってましたね〜(^^))

自分がハイリスクの運用をしておいて何ですが、結局は総資産とのバランスですが、団塊の世代の方が、無理に年利10%を狙いに行かなくても良いんじゃないかな?とは思いました。

若造が横ヤリを入れる形になって失礼しました。
ちょうどコメントを入れる時に見覚えのある商品の話が目に入ったのでスミマセンです。




TB から、来ました。
ゼロ金利解除より、はいぱーさん の 投稿のほうが、気になりましたので、私も横槍を1本。
米ドルメインは、私も危険と見ます。
ただ、10%の利回り確保では、かなりの部分を外債に頼らざるを得ないと思います。
米国外債なら、ゼロクーポン債が推奨品です。
自分で、運用できるので、コストが安いのと、利息分が最初から、引かれているので、初期投資が、少なくて済む、そして、満期が選べます。
私は、私的年金のつもりで、少しずつ購入しています。
シティの場合は、手数料が、取られているので、自分で、商品選択能力があり運用できる人には、税金を考えても損だと思います。

  • sifer
  • 2006/07/16 6:39 AM
ゆうき様

問題点のご指摘、ありがとうございました。
やはり保険商品は有利ではないようですね。
米国債を直接運用するのが良いのではとは考えていました。
1
0%の数値は漠然としたものですが、なんとか外国のファンド
の運用が出来ないかと思っており、それであればこのくらいの
リターンはなんとか行くのではないかと思っています。
(実際は難しいのでしょうが)
資産家でもなんでもありませんので、相続の心配はありませんし、
ローンの心配も無いのは良いところかと思っています。

music-life様

運用目標数値他に関するコメントありがとうございました。

sifer様

米国債に関するご指摘、ありがとうございます。
クーポン債、考えさせていただきます。
折良く今朝の日経新聞にも分かりやすい解説が掲載されていました。
今後とも宜しくお願いします。


  • はいぱー
  • 2006/07/16 8:58 PM
はいぱーさん

>10%の数値は漠然としたものですが、
>なんとか外国のファンドの運用が
>出来ないかと思っており、
>それであればこのくらいのリターンは
>なんとか行くのではないかと思っています。

外国のファンドであろうが日本のファンドであろうが、そのファンドの期待リターンとそのファンドのリスクは比例します。外国のファンドだからローリスク・ハイリターンということはありませんよ。

外国のファンドでも、日本のファンドでも、10%くらいのリターンを出しているファンドはあります。私が言いたかったのは10%のリターンを出すファンドは、それだけリスクが高いということです、子どもがおらず、将来の所得が多い若者ならば、10%のリターンでも狙えると思いますが、あとは年金のみという方でそれほど資産家でない場合、10%のリターンを目指すのは、追うべきリスクが高すぎると思います。

はいぱーさんの場合は、年金運用と同様、4%〜5%くらいに抑えた運用を心がけるのがよいと思います。
  • ゆうき
  • 2006/07/16 10:07 PM
ゆうき様

重ねてのアドバイスをありがとうございます。

>年金運用と同様、4%〜5%くらい

北村氏の「貧乏人のデイトレ..」によれば、アロケーションが
大事とのことですので、これも年金運用を見習うことになりますか。
ここの銘柄は別に考えなくてはならないと思いますが。

昨日、山崎氏の著書も読みました。「投資バカ..」は日経文庫の「お金をふやす本当の常識」と殆ど同じ内容かと思われました。

ここでは、個人向け国債と日本株が勧められていますが、前者は
利率、後者はいままでのトレンドからは疑問を持ってしまいます。


  • はいぱー
  • 2006/07/17 11:35 AM
ゆうき様の精緻な分析を拝見し、タイトル通りのホンネと信頼しています。
山崎氏の著書も良書ですが、橘玲氏の著書は「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」をはじめ、どれも有益なものだと思います。
ところで、シティバンクが夏のキャンペーンとして実施中の、「円定期預金1年もの年利率1.2%」の申込みを考えています。
本商品は、何故リスク無しで高金利とできるのでしょうか?
教えていただけませんか。
  • コージー
  • 2006/07/21 12:27 AM
コージーさん

私も、橘玲氏の著書は「黄金の羽を手に入れる自由と奴隷の人生設計」や「マネーロンダリング」「永遠の旅行者」などを読みました。ただ、資産運用のノウハウと言うよりも、お金に関する裏話的な話が多くて、実践的な情報はあまり多くないと思っています。いずれにしても「考え方」を知るという点では橘玲氏の本もよいと思います。

さて、シティバンクが夏のキャンペーンとして実施中の「円定期預金1年もの年利率1.2%」は、なぜこんなに高金利なのか?ということですが、これまでの統計上、一年間だけ預けてその後解約してしまう人が一定数いるとしても、残りの人が2年目以降にシティバンクで外貨預金や投資信託をはじめてくれれば十分に元が取れるからだと思います。ただ、シティバンクで外貨預金をしたり投資信託を買うのは、手数料が全体的に割高なのであまりオススメはしません。

ちなみに私も海外出張が多いのでシティバンクに口座を持っています。100万円預けておくと日本国内ならどのATMでおろしても手数料が無料なので。100万円をどう置いておくか迷ったのですが、スパークスのソル・ジャパン・ファンドを購入しています。

http://www.citibank.co.jp/invest_mf/fundguide/mkgs/soljp.html
  • ゆうき
  • 2006/07/21 11:15 PM
11月10日からマネックスで募集している
ドイツ銀行AGロンドン 2007年11月28日満期 3.3% 円建て 限定豪ドル償還特約付社債
の購入を検討しているのですが,ゆうきさんはどのような見解をお持ちでしょうか?
  • ラバ
  • 2006/11/13 11:58 AM
ラバさん

回答は以下の記事に書きました。

http://fund.jugem.jp/?eid=175
  • ゆうき
  • 2006/11/13 7:03 PM
はじめまして。本日こちらのサイトを拝見させていただきました。
私もシティーバンクでモンターニュを進められて検討していたんですがこちらのサイトに

(欷云ι覆楼貳姪に手数料(付加保険料)が割高。したがって運用商品としては向いていない

中核をモンターニュにするとあるが、一般的に60歳前後で、米ドル建て資産を資産運用のメインにするのはリスクが高い

とありますが私が説明を受けたのは

100,000米ドルが10年後に153,817米ドルになる。
ドルでは元本保証がある。

リスクは
為替の変動で日本円に戻すと元本割れのリスクがある。
途中で解約をすると手数料を取られる。
損益分岐レートは78.33円。

という説明を受けました。

,里茲Δ兵蠖料を別にとられるんでしょうか?
▲螢好が高いとはどのようなリスクがあるんでしょうか?(為替のリスク?)

初心者のためつまらない質問になりましたがご意見をお聞かせいただけないでしょうか?
尚、当方初心者ですがお勧めの資産運用があれば教えていただけないでしょうか?
よろしくお願い致します。
  • 太郎
  • 2007/05/24 4:27 PM
1.付加保険料については以下をご参照ください。保険商品には必ず見えない付加保険料が抜かれています。

http://fund.jugem.jp/?eid=42

2.リスクとは為替リスクのことです。重要なのはリスク許容度に見合ったアセットアロケーションです。

http://fund.jugem.jp/?eid=23

3.オススメの商品は以下をご覧ください。

http://fund.jugem.jp/?eid=142
  • ゆうき
  • 2007/05/24 11:10 PM
太郎さん

とりあえず為替リスクは無視して、かなり大雑把ですが試算してみましょう。
現在残存期間が約10年のゼロクーポン米国債が額面の62.40%で販売されています。
http://www.nomura.co.jp/retail/bond/f_secondary/index.html
これを保有しておけば元本の確保は完了。残りの37.6%がリスク運用と付加保険料の分ということになります。
そのうち3万ドルを運用に回して、この部分のリターンが6.0%だと仮定すると10年後には約1.79倍になる計算で、3万ドルは約53,700ドルに増えます。ゼロクーポン債の10万ドルを加えると保険会社の試算に近い数字ですね。
残りは 100%-62.4%-30%=7.6%
かなり大まかな計算ですが、「リスク運用部分の期待リターンが年6.0%だとすれば、付加保険料などのコスト部分はだいたい7.6%ぐらい」ということになります。
10万ドルのうち約7,600ドル(90万円以上)を「掛け捨て保険」のために払っている計算になりますが、非常にアバウトな計算なのでこの数字をそのまま信用しないでくださいね。

ちなみに残存期間10年のゼロクーポン米国債を10万ドル分買えば、10年後には16万ドルちょい。
もちろん米国債は生命保険の機能は持たないし税金の扱いなどが違うので単純な比較はできませんけどね。
また変額年金保険は試算以上のお金が返ってくる可能性もあります。(逆にもっと少ないかもしれない)

しかし信用能力では生命保険会社よりアメリカ政府の方が間違いなく上だし、元本だけではなく「10年後に16万ドル」の部分まで保証してくれています。(つまり為替リスク以外のリスクはほとんどない)
生命保険料のような控除はないので税金で多少目減りしますが、生命保険としての機能を必要としていなくて、確実にドルを増やしたいのならどちらがお得かは明白ですよね。
  • アルビレオ
  • 2007/05/25 2:34 AM
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ゼロ金利解除で、住宅ローンを組むということは、数千万の借金をして将来の金利と不動産価値を当てるギャンブルに参加するということが白日の下にさらされた。なぜギャンブルかというと、胴元(銀行、不動産業者)は絶対に儲かるようにできているから。 ほとんどの人は
  • はむかつさんど
  • 2006/07/15 11:00 PM

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