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遺伝資源のアクセスと利益配分(ABS)に関する名古屋議定書が採択

名古屋で開催されていた国連・生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が閉幕し、遺伝資源のアクセスと利益配分(ABS)に関する名古屋議定書が採択された。

名古屋議定書は、医薬品、化粧品、食品開発など遺伝資源を利用する際に、遺伝資源を保全してきた原産国にも適切な利益配分を行うことを定めた国際条約だ。最後まで揉めた論点の一つは、過去に取得した遺伝資源を利益配分の対象とするかどうかだった。確かに遺伝資源の多くがすでに先進国の研究施設や植物園に保管されている中で、今後習得される遺伝資源のみが対象では、十分な利益配分が期待できない。ただし、すでに利用されている遺伝資源までを対象にするとなると、今ある医薬品の使用を停止するのか、利用者が利益配分に合意しなかった場合にどうするのか、など課題が多い。

結局、この問題は採択された議定書には含まれず、今後の検討事項となった。ただ、交渉では、途上国グループは過去取得した遺伝資源を対象にすべきという原則論のみで、その原則を採用したときに具体的な制度をどうするのかまで提案できていなかったように思う。原則論ばかり振りかざしても具体的な制度がイメージできていなければ議定書に入れることは難しい。途上国グループにとっては、具体的な制度を提示できるかがカギになるだろう。

とはいえ、この議定書が画期的なのは利益配分を遺伝資源の提供国内における要件とするだけでなく、遺伝資源の利用国においても適切な利用が行われているかどうかをチェックする制度を設けようとしている点だ。気候変動交渉に先が見えない中で、環境関連の国際条約としては大きな前進と言えるだろう。

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